カテゴリ:春 -home-( 88 )
ミヤコアオイ
d0016725_0102232.jpg

カンアオイの仲間は江戸時代に多くの品種が見出され,今日でも園芸の1ジャンルとして残っている.葉の模様や花の色,萼片の数などに変異が多いので,亀甲紋,雪白紋,素芯など,多くの品種が作られている.この写真は(たぶん)亀甲紋と呼ばれるタイプ.同所的に生えていても,わずかに見た目が異なる.園芸種になるはずだ.

カンアオイの種はアリ散布で,種子にはエライオソームと呼ばれる脂肪・アミノ酸・糖などを含む付属物が付いている.アリはこのエライオソーム欲しさに種を巣に運び,エライオソームだけを食べて,種子は放置される.こうしてカンアオイは分布を拡大しようとするのだ.ただ,ある試算では1kmを移動するのに1万年かかるというから,この試算が正しければ気の長いはなしだなぁ.試算が正しければ,だけど.エライオソームはカンアオイだけでなく,スミレ,カタクリ,ムラサキケマン,フクジュソウ,ヒメオドリコソウ,カタバミなど,様々な科の植物で見られ,これらの植物を「アリ散布植物」と呼ぶ.

d0016725_0175578.jpg

カンアオイ属の花は地面に埋もれたように咲くので,普通は目立たない.その花の変異を楽しむのだから,日本の園芸って奥が深い.花には花弁が無く,3個の肉質の萼片が筒状になっている.花弁が無いのに離弁花というのも不思議な気がするが,それはさておき,カンアオイ属の種を分類するのは,この花がポイントになる.このあたりではサンヨウアオイとミヤコアオイが多いが,サンヨウアオイは萼筒が6陵に膨らんでボコボコして見えるのに対し,ミヤコアオイの萼筒はまるく見える.内面には縦に15個の隆起腺がある.サンヨウアオイの縦の隆起腺は6個.

d0016725_0184986.jpg

こちらはほんの2mほど離れたところにあった個体.葉の模様はまったく違うけど,やっぱりミヤコアオイで,花のつくりは同じ.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-09 15:45 | 春 -home-
ミズバショウ
d0016725_4175215.jpg

「♪夏が来れば思い出す〜」とはじまる『夏の思い出』は,湿原に対する憧憬を日本人にもたらし,湿原の地位を高めたが,同時に弊害ももたらした.それは,尾瀬をはじめとする東北の高層湿原が湿原のステレオタイプであり,それとは異なる湿原は価値が低いという認識を暗に植え付けたことだ.その結果,各地の湿原にミズバショウが植えられた.ミズバショウは,本来,兵庫県と中部以北に分布するが,今では各地の湿原や親水公園で目にする.正直なところ,植えられたミズバショウは気持ち悪い.花の姿はきれいなのだけど,どうしても「外来植物」として目に映ってしまうのだ.花も僕も不幸な気がする.外部から植物を持ち込まなくても,そこにある自然には歴史があり,価値がある.むしろ,外部から植物を持ち込むことで,生態系の歴史が意味を無くし,価値が無くなることを理解すべきなのではないだろうか.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-09 15:34 | 春 -home-
イカリソウ(白色花)
d0016725_485749.jpg

イカリソウも花の色に変異が多い種で,様々なものが見られる.この個体は花弁が真っ白だった.

d0016725_495611.jpg

ただ,萼片の裏側には紅が差していたので,アルビノというわけではないようだ.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-09 15:11 | 春 -home-
シマヘビ(黒化型)
d0016725_45886.jpg

春になると様々な動物が活動をはじめる.特に,変温動物は冬には全く活動できないので,姿を見ると季節の到来を強く感じさせる.

カラスヘビというのは体色が黒くなったヘビを指す俗称で,実際にはいくつかの種で見られる変異だ.この個体はシマヘビで,石垣で日向ぼっこしていた.久しぶりにカラスヘビを見て,ちょっと嬉しかった.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-09 14:58 | 春 -home-
ヤマシャクヤク
d0016725_464591.jpg

「立てば芍薬,座れば牡丹,歩く姿は百合の花」と例えられるように,日本人に好まれる姿をしている.こんな大きな花を付ける草本も珍しい.花もきれいなのだけど,葉の手触りが独特で,ぺとりと張り付いてくるような感触がある.

きれいなだけに,最も盗掘されやすい植物の一つだ.別の所にも書いたけれど,山から植物を持ってかえるのは,きわめて独りよがりな行為だ.乱獲がどのような結果をもたらすかが分かっていなかった昭和の時代ならまだしも,それが分かっている今,自生地の個体群を脅かすような採集は愚行としか言いようがない.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-09 14:57 | 春 -home-
ウワミズザクラ
d0016725_42188.jpg

一見すると慣れ親しんだサクラとはほど遠いが,れっきとしたサクラ属(Prunus)の一種.ヤマザクラに遅れて花を咲かせ,もちろん桜ん坊もつくる.ブドウの房のようになった実は,秋にはツキノワグマの貴重な食料になるようで,種子を大量に含んだ糞をよく見かける.

複葉ではないが,側枝ごと落ちるという特性を持っていて,やはり他のサクラとはひと味違う.共通なのは,花の命が短いことかだろうか.ひっそり咲いて,ひっそり散る.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-08 18:11 | 春 -home-
オオイワカガミ
d0016725_3565545.jpg

Kanさんのところに載っていたオオイワカガミを見て,気になったので見に行ったら,ここの生育地ではほとんどがまだつぼみだった.冬にも葉が枯れないと言いながら,右に見えるトキワイカリソウと同様,オオイワカガミも越冬した葉は焼けたような色になる.はたしてこの葉で光合成できるのだろうか,と疑問に思ってしまうが,単に栄養を蓄えるために葉を落とさないだけかもしれない.

d0016725_3574865.jpg

2個体だけ咲いている個体を見つけたが,どちらも白花だった.造形が美しい花だと思う.

d0016725_3591731.jpg

こちらは桃色花.花茎を持ち上げている個体はたくさんあったので,まもなくきれいな花を見せてくれることだろう.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-08 17:48 | 春 -home-
サクラソウ
d0016725_3533278.jpg

今や日本で保全生態学を象徴する花になった感がある.それは保全生態学を進めてきた鷲谷いづみ先生が研究対象とした種であることが大きく,保全生態学の教科書でまず取り上げられるからだ.びっくりしたのは小学校5年生の教科書にも載っていることで,著者はやっぱり鷲谷先生だった.国語の教材で理科的事項まで勉強できるとは一石二鳥だ.

芸北には由来の異なるサクラソウがある.一つは埼玉県あたりを由来として(おそらく)人の手によって持ち込まれたもの.もう一つは自生のものだ.

この写真はサクラソウの自生地のもので,ここでは実に多様な姿のサクラソウを見ることができる.あるものは背が高く,あるものは花弁が細く,あるものはこのように歪曲しながら低く花をつける.できることなら,いつまでもこの多様性を保って欲しい.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-08 17:04 | 春 -home-
ヤマルリソウ
d0016725_3512859.jpg

青い花というのは多くないので,青紫色の花に瑠璃草という名前を付けるのは自然なことだろう.白い花があっても「シロバナ」という和名は付けられない.ヤマルリソウは,林縁や道端でしばしば見られるが,見かけるとやっぱりうれしい.かわいい.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-08 16:38 | 春 -home-
コガクウツギ
d0016725_3482934.jpg

卯月の頃に咲く白い低木には「ウツギ」と名が付くものが多い.しかし,日本で見られるウツギ属(Deutzia)はわずか7種のみで,その他は姿が似ていても別の属であったり科が違ったりする.コガクウツギも同じユキノシタ科だが,アジサイ属(Hydrangea)の植物で,ウツギと樹形が似て萼(がく)のあるガクウツギの小型のもの,と,ウツギ(Deutzia crenata)からは少し離れる.

d0016725_3491622.jpg

まだ咲きはじめのためか,装飾花が淡い緑色を帯びていた.装飾花の数は数個から時には1個のみで,アジサイ属の中では最も地味な部類に入るのではないだろうか.


[PR]
by 6th-kingdom | 2005-05-08 16:05 | 春 -home-


S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体
保全 -home-
保全 -away-
春 -home-
春 -away-
夏 -home-
夏 -away-
秋 -home-
放下著
野に還る
未分類
最新のトラックバック
高貴なる (ベニバナ)ヤ..
from アルデバランの 夢の星
メディアにおける希少種の..
from 花の色は...
what's縲oing ..
from kanちがい!
ウミウシたくさん
from 熊日記
自然史研究会の植生調査 ..
from kanちがい!
こちらもどうぞ

/fin

やなちゃんの気まぐれ日記

かずこさんのblog これから!

みうらや謹製 晴耕雨読

その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧