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中国新聞社の荒木肇カメラマンには注意
2012年5月15日の夕刊に,リュウキンカが開花しているという記事が掲載された.
記事そのものは見ていなかったが,下記ブログでたまたま記事の内容を拝見した.

http://blogs.yahoo.co.jp/yukiaien/29405935.html

この写真は,明らかに群落内に立ち入って撮影している.
つまり,湿原やリュウキンカを踏みつけながら撮影されている.

記事には「盗掘などが絶えない」と書いているが,「カメラマンによる湿原の踏みつけ」が,湿原の環境が悪化し,絶滅を招く要因として記されていることは知らないのだろうか.

荒木肇というカメラマンは,花を撮影するために,湿原にも立ち入るし,花を踏みつける人らしい.
無知なのか,無配慮なのか分からないけれど,こういう「記者として未熟な人」に記事を書かれると,とても困る.
カンベンしてほしい.
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by 6th-kingdom | 2012-05-18 20:49 | 保全 -home-
メディアにおける希少種の報道について−2−
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結論から書くと,公表・非公表を決めるのは各メディアの製作主体であるべきだと思う.ここの決定権が無くなってしまっては,ジャーナリズムの独自性が保てなくなるので,ここは間違い無いだろう.

一方で,あんどうさんからのご指摘のとおり,メディア独自で「【その後の保全策についての具体的な見通しが立った時】かどうかを判断することができない」というのも事実だろう.「記者個人のモラルや情報リテラシーの問題だ」と言ってしまえばそれまでだが,それでは同じことの繰り返しになってしまう.

理想的な形は「基準に該当する種(たとえばレッドデータブックに掲載されている種)の公開に際しては,関係行政機関(広島県なら県の環境保全室),専門家(レッドデータブックであれば,本に記載)および博物館施設(動物園・植物園・昆虫館・自然館 etc.)の意見を聞く」などのステップを内規として持っておくことだろう.そうすることにより,記事掲載に対する批判が出た場合にも,掲載に至る根拠を示せる.レッドリストに載っている種については,先の三者(特に専門家)に聞くことで,十分な情報を得られるのではないだろうか.

また,これら三者から「掲載を見合わせるべきだ」という意見が出たとしても,メディアの製作主体が「掲載すべきだ」と判断できる材料があれば,記事は掲載されるべきであると考える.同じ「掲載する」という結論に至ったとしても,見合わせるべきだという意見を覆すだけの材料を検討するという点で「意見を聞く」というステップに意味がある.

マスメディアにおけるこのような内規は,人権や個人情報に関わるものではかなり整ったものがあるのだと思うが,様々な取材を受けるかぎりでは,自然に関しては記者や担当者に判断が任されているのではないかという印象を受ける.ここでは自然のことを取り上げて議論しているが,他のことについても,記事掲載に関する姿勢がしっかりしている記者や製作主体ほどコンテンツへの責任意識も明確であるため,取材を受ける側も進んで情報を提供し,結果として良質のコンテンツを提供できるのではないかと思う.このことは,マスメディアだけでなく,ホームページなどで情報公開している個人にも当てはまることだ.

繰り返しになるが,今回の議論の発端になった記事についても,彼個人を批判することだけではなく,今後の予防策についての議論が必要なのだと考る.ただ,大前提として「ジャーナリズムの独自性」は認められるべきだと考えるので,外部からはあくまで意見・提案に留まるべきだろう.
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by 6th-kingdom | 2006-08-24 01:44 | 保全 -home-
メディアにおける希少種の報道について
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「ところで、8日付けの朝刊に○○を出稿しました。18年近く自生地を公開しませんでした。すべての人に内緒にしていたわけではなく、見たいと言われた方の多くは同行しました。公開しないというのは秘密にしているというわけではありません。
 新聞社時代、新聞に掲載したから「クマガイソウ」が盗掘され、消えたと叱られたことがあります。ほかにも希少植物がなくなりました。以来、希少種は公開すれば盗掘されるという恐怖を抱くようになりました。個人的には貴重な花が見つかれば、一緒に見て楽しみたいと思うのです。 ○○の自生地を知ったのは、18年前に芸北の児玉集さんに連れて行ってもらったのが最初です。誰が最初に発見したかも伺いました。
 最初、新聞に公表してはいけないといわれていました。
 当時の異常な山野草ブームと希少性を考えれば、○○は消えていくでしょう。放っておいたわけではありません。自生地関連の行政やわさび栽培をされている方などと話し合い、保護について話し合いました。結論から言えば、公表しないということでした。
 しかし、日当たりが悪くなるといけないので、サワグルミの枝打ちや自生地に生えるシシウドの撤去などを続けてきました。わたしは素人ですから、植物の権威がたくさんおられる西中国山地自然史研究会の方たちの意見を伺ってきました。そして自生地を静かに見守ってきました。
 3年前、あるグループの方たちが「中国山地で○○の自生地を発見。四国・剣山の自生地よりもたくさんある」という記事が中国新聞に載りました。
 今年も7月29日、30日8月5日と3回行ってみました。がれ場ですが、傾斜が毎年ひどくなっていきます。植物学者と話したのですが、底雪崩のような形ですべて流れるかもしれません−という意見もあるのです。今年の花のシーズンが終われば、シシウドやサワグルミの手入れに行かなければならないと話しているところです。
 いつも悩むのは公開すべきかどうかです。良い知恵はないのでしょうか。どなたか教えてください。」

この問いは,紺野昇さんが2006-08-08 02:42のblog記事で発信したものだ.媒体は違うけれども,同じ「自然を紹介する」立場にいる者として,本質的な問いとして受け止め,自分の意見を述べた.ネット上の書き込みに,ハンドルを使わなかったのははじめてかもしれない.

マスメディアやジャーナリズムに欠かすことができないのは,一部の人の利害にとらわれず,どのような権力にも屈しないという精神だ.この基本精神に則り,ジャーナリズムに関して議論すると,「情報を占有したり、否定したり、隠し通したりすることが正しい選択ではない」という紺野さんの言葉は正しい.しかし,はじめの問いは,希少種の情報公開に際して配慮すべきこと,についてではなかっただろうか?blog上での議論がまるで悪者探しのようになってしまったことも残念だが,記事が削除されたこともあって,はじめの命題についての議論が2006-08-09 00:08 より後のコメントでは消えてしまったことが残念だ.

この命題に対する,僕なりの解をもう一度書いておく.「希少種の生息事実(生息地ではない)が一般に認知されるように情報を公開するタイミングは,その後の保全策についての具体的な見通しが立った時だと考える.具体策が無いのであれば,情報の公開は絶滅を加速するだけだ.」

それでは,この解を実行するために欠けていたものは何だろうか?と考える.記者個人,あるいは報道機関に対して,研究者は十分な情報を提供してきただろうか?レッドリストは出ているが,その活用指針は示されているだろうか?指針を示さないまま,記事が掲載された後に記者や報道機関を責めることはできないと思う.ヒューマンエラーを回避するための具体的方法を模索することが必要だと思う.そうでなければ,また同じことが繰り返されてしまう.(本人の自覚は別として)紺野さんの問いの持つ本質的な部分は,ここにあったのではないだろうか.

紙面に記事が載ったことは遺憾だが,そのことを責めても仕方がない.今からやること,できることは,記事が公開されたという前提に立ち,これからの保全策を考え,実行することだ.ただ,自然に関する紺野さんの記事を素直には読めなくなってしまったことは,一読者として本当に残念でならない.
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by 6th-kingdom | 2006-08-13 12:19 | 保全 -home-
クマ登場
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休日だったので工房 ぶなの里でコーヒーを飲んだりハーブティーを飲んだりビールを飲んだりして午後を過ごした.雨が降りそうなお天気だったので他のお客さんは一組だけで,その方達もお昼過ぎ早々に帰って行かれた.ほどなく,坂井さんがやってきてキノコの幼菌を見せてくれた.帰りかけた坂井さんが戻ってくるのと輝子お母さんが叫ぶのが同時だったと思う.「クマ!クマ!」.テラスの向こう,ちょうど僕がハンモックを吊るあたりを若いクマが走っていくのが見えた.アキちゃんが吠えたからクマもびっくりしたのだろう.ニョルさんが言っていたことをそのまま目撃してしまった.

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「クマをよく見る」という話はお母さんに聞いていたのだけど,まさか自分が見ることができるとは思っていなかった.いつも15:00過ぎくらいに通過するそうだ.そんな話を聞いていたら「あっ!またじゃ!」という輝子お母さんの声.慌ててケータイを掴んで撮ったのがこの写真.「一日に4頭も見たのははじめて」という.僕も子連れグマを見たのは初めてだ.ガサゴソと藪から出てきて,管理林の中を一目さんに駆け抜けていった.そりゃぁ,これだけ見通しが良ければ長居はしたくないだろうなぁ.クマ防除には奥山保全・里山整備・(集落周りの)草地再生・・・ってどうですかね?かなり的を射ていると思うのですが.

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広角いっぱいで花を写すのはヒサビサかもしれない.頭を切られたタンナトリカブト.これが動物とか昆虫とか人だったら目も当てられない写真なんだけど,切り取っていった人はそんなこと考えないんだろうなぁ・・・.


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by 6th-kingdom | 2005-10-05 19:45 | 保全 -home-
ツルを切る
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苅尾の山頂付近を歩いていて,いくつかのつるが切られていることに気付いた.明らかに人の仕業なのだけど,なぜこんなことをするのだろう?遊び半分にしてはたくさんあるし,つるの採取をした形跡も無い.

いろいろ考えたけど,ブナを守るつもりでつるを切ったのではないか,という憶測にたどり着いた.もしそうだとしたら,それはとんでもない勘違いだ.材木の生産を目的としたスギやヒノキの植林ならともかく,ブナ林はブナだけが生えていればよいわけではない.確かにブナはブナ林の優占種だけど,それをとりまく様々な動植物がいて,はじめてブナが生育できるのだ.つるが絡み付いたくらいで枯れるほどブナは弱くない.絡み付いたつると共に生きるはずだ.逆に,つるが絡み付いたくらいで枯れる個体は枯れた方が良い.1本のブナが枯れると,そこには大きな空間(ギャップ)ができる.そうしてできたギャップから,また次の世代の植物たちが伸びていくのだ.

環境を保全しようとする時,特別な生物を守るというのは分かりやすい構図だ.だけど,そこだけを見たのでは,本質的に自然を守ることはできない.目の前だけの事象を見て,短絡的な行動に出ないようにしなければならない.自戒.


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by 6th-kingdom | 2005-05-14 06:18 | 保全 -home-
山焼きから一ヶ月
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東京からお客さんがあったので,明日に予定されている雲月小学校の遠足の下見を兼ねて,雲月山に登ってみた.さすがに山肌は黒から茶色に変わりつつあるが,山肌にはススキをはじめとして,たくさんの新緑が芽吹いていた.しかも,焼いていない場所よりも緑が鮮やかに見える.山肌のせいかもしれないけれど,これは新鮮だった.

山焼きの後,いろんな人が雲月山の興味深い情報をwebで発信されているので,目にとまったページを集めてみた.

■個人のページ

山焼き後の雲月山 』 by しぇるぱ散らし踏み
雲月山 山焼きに参加しました。』 by Outdoors in Hiroshima
雲月山焼き』 by 芸北町観光協会
雲月山の春』 by 里の四季

■ 報道関係

雲月山、8年ぶり炎の絵巻 広島県北広島』 by 中国新聞
草地を守る 雲月山の山焼き~芸北(4/11)』 by 広島ホームテレビ


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by 6th-kingdom | 2005-05-05 17:50 | 保全 -home-
春の遠足 −アマゴをめぐる生き物のはなし−
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美和小学校の児童と一緒に遠足に出かけた.2年前にも同じ遠足に誘って頂いたのだけど,今回も目的地は大暮養魚場.ここでアマゴのつかみ取りをするのだ.もちろん,深いところでは無理なので,ちゃんと浅瀬を作っている.

僕の役割は,道中で動植物のレクチャーをすること.今回も植林地の中を縫う林道を歩いたので,なかなか目をひくものは少なかったのだけど,それでもいくつか花が見られた.ただ,子供達にとっては,途中で見つけたシマヘビの方が興味津々だったようだ.昼寝の最中だったところを捕まえて,胴としっぱの境,排泄口の場所,うろこを見せながらの脊椎動物の進化の話,温度センサーや二股の舌の役割,捕食の話,瞳の形などをざっと話した.まぁ,一番の興味は手触りだったようだけど・・・.子供達が手で触ったり首に巻いたりするのを見て,2年前には近づこうともしなかった先生も,怖々ながら触っていた.いいことだ.

ここまでなら2年前と同じなのだけど,実は,僕が設定した今日のメインは大暮養魚場にある.芸北は,カワシンジュガイという二枚貝の生息南限にあたるのだが,この貝の保全に大暮養魚場が大きく貢献しているのだ.

カワシンジュガイの幼生(グロキジューム)は,アマゴの鰓に寄生するので,アマゴがいなければ個体群は消滅してしまう.農業のための河川改修が進んだ芸北では,河川同士のつながりは分断され,アマゴが健全に生育できるほどの環境はほとんど残っておらず,カワシンジュガイもほとんどの河川で絶滅してしまった.現在は,カワシンジュガイの残された川にアマゴを放流し,カワシンジュガイの個体群の消滅を防いでいるのだ.さらに,カワシンジュガイはアブラボテの産卵先になるので,カワシンジュガイを保護することは,同時にアブラボテを保護することにもつながる.

この遠足で,子供達は芸北に棲む貴重な生き物のこと,生き物同士のつながり,そして,地元の産業が,経済以外の面でも大きな役割を持っていることを知ったはずだ.もちろん,アマゴの味もね:)


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by 6th-kingdom | 2005-05-02 12:32 | 保全 -home-
雲月山,とうとう,やっと,また,燃えた!
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とても良い天気の日でした.雲月山の上には雲が無く,そして,風も無い.

7:15.雲月山に着くと,車は無く,駐車場の端っこにAvenirを停めました.ほどなく人が集まりはじめ,どの顔からも期待感が読みとれました.心配していた駐車場の混雑も,受付の人手の無さも,自発的に動き始めた人が補ってくれました.そう.今日の活動はボランティアイベント.145人のボランティア全てが,この活動の意味を知っているはずで,この活動に参加したいという自分の意志で来ているのです.動員という言葉が使われるなら,それはボランティアによる活動ではない.参加した人は,参加したいから,参加した.当たり前のことのようで,そんなイベントはあまり無い.それだけ,雲月山の魅力と,その裏側にある文化を理解する人が多くいたことを感じ,幸せな一日でした.

山焼きは,無事に終わりました.内容については別のところで書くとして,とにかく怪我人も無く,予定した範囲をきれいに焼き切って終わりました.山焼き後はゼミで発表があり,その後は飲んで,翌日はエクスカーションのコーディネーターだったので,我に返ったのは日曜の夜でした.

僕は,それからずっと泣いています.ボランティアの人たち,地元の人たち,消防の人たち,記録や報道の人たち,そして準備をしてきた事務局の人たち一人一人のことを思うと,困るくらい泣けてしまう.「感動するのは今日だけにしよう」と,昨日思ってたのに,今朝来る時に当日のことを思い出したり,新聞見たり,テレビみたり,チャットで感想を聞いたりして,また涙が出てくる.

でも,今回の山焼きは一つのマイルストーン.たどり着いたのは確かだけど,そこは通過すべき地点.まだまだこれからが続いている.そう言い聞かせているんだけど,やっぱり感激が止みません.すみません.明日からは頭の中を冷やしてまた進みます.

こんなに泣けるのか,っていうくらい嬉しい活動を手伝えたことを,本当に幸せに思います.ボランティアで,あるいは地区から,消防から参加した皆さんが,少しでも(涙は出なくても)同じような感覚を共感できていればいいなぁ,と思います.


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by 6th-kingdom | 2005-04-11 21:27 | 保全 -home-
山焼き前日,雨の朝
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目が覚めて,次第に感覚が戻ってくると,パラパラと屋根を打つ音に気付いた.「雨かぁ・・・」.様々なことが頭の中を過ぎる.準備不足という観念にとらわれているので,ほっとした気持もあり,他の仕事に手を付けられるという気持もあり,お天気だけはどうしようもないと言いながら残念な気持もあった.が,天気予報を見てみると,8日[雨→晴],9日[晴].まだすっぽりと雲の中だけど,さてさて,どうなるか...


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by 6th-kingdom | 2005-04-08 09:44 | 保全 -home-
棚田の雪解け
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棚田と言ってもこれは実験地の棚田.この春初めて行ってみると,波板は見事に倒されていた.予測はしていたけれど,雪には耐えられなかったようだ.それでも,導水性能は割と保たれていて,これならカスミサンショウウオの産卵も期待できる.一年生草本の種子に対する導水の効果も出てくるし,調査するのが楽しみだ.


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by 6th-kingdom | 2005-03-21 18:00 | 保全 -home-


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